目的の思い起こしの大切さ
どんなに日頃リハビリを頑張っている人であっても、その後の怪我による痛みに重く悩んだり、加齢による体力の衰えから自信を持てなくなったりと、様々な影響から日々のモチベーションが保てない、また今後の生活に不安を感じてしまうと言う方は決して少なくありません。
ただ、それは高齢者の方に限った話ではなく、それだけ人が何かを頑張るという事は、紆余曲折に課題や悩みにぶつかる事でもあり、また歩むからこそ足を止めることに不安を覚える。
何より、その不安な状態が長く続くことによって本来の頑張る目的を見失ってしまう。
そんな事って、誰にでも当てはまる事なのかもしれません。
今日は、以前まで色々な事にチャレンジする事を楽しみながら過ごされていた、とある女性ご利用者の話…
最近は、何をするにも皆の輪に入らず、少し離れて静かに参加する、そんな様子が目に止まる彼女。
好きだった行事も、調理をする機会も、お誘いしても「手が痛くてできないから」と…少し重たげな表情になる事もしばしば。
そんな様子が気になり、あらためてお話しする機会を作らせていただきました。
よくよく話を聞くと、
「手が痛いのは事実で、一度それが理由で輪から離れたけど、その後に皆の楽しそうな様子を見てたら、何だか淋しい気持ちになった」
「長く独りの生活をしていると、頑なに自分の気持ちを話せなくなったり、強がったり、素直に感情を出せなくなる事が増えてきた感じがする。だけどそんな気持ちに気がついて欲しいなって思ってた…」と、胸の内を一つ一つ言葉に話してくれました。
そんな彼女に対して私たちができる事は、
自分たちの気持ちや想いを精一杯真っ直ぐに伝える事…
気持ちを話せて少し気が楽になった事もあり、
その後はお互いに「話せて良かった。ありがとう」と言葉を交わし、あらためてこれからどうしていきたいのか、自らの目標を口にしてくれた事も含め、WATTOに来ることの目的、その「思い起こし」をする事ができました。
そんな一見どこにでもあるような話で、誰にとっても当たり前のようなWATTOの日常。
でも、その場面を見過ごしていたら、あの場で話す事がなかったら、これから先、彼女はどんな日々を過ごしていたのか。
リハビリはもちろん大切な事ではありますが、そのモチベーションの管理も私たちの大切な役割。
気持ちが沈み、運動に気が乗らなければ、その理由ととことん向き合い、運動そのものを好きな事や興味のある事、時には行事に置き換え、楽しみながらも自然と身体を動かしてもらう。
その中でのご利用者お一人お一人がどんな心持ちをしているのか、そこに私達の想いを重ね、リハビリの意味や目的を思い起こし、その繰り返しの上にお一人お一人にとっての成果を創ることから、それぞれの自信に替えていく。
そして何より、これからどれだけの笑顔をたくさん創る事ができるのか。
そんな事をあらためて考えさせられる、大切な時間を過ごさせていただきました。
そんな私たちの心配も束の間、
その後に準備していた節分の行事では、彼女は手の痛みを忘れて太巻き作りに参加したり、毎年恒例の鬼の登場を大笑いで追い払い、帰る頃には「今日は来てよかった、楽しかったよ!」と満面の笑み。
最後までバッタバタの1日を送るWATTOでした笑
そんなこんなで、
節分という事もあり、皆さんの今年1年の無病息災を心から願って、このブログを終わりにしたいと思います!
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